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H26年度買い取り手続き再開、H27年度は2段階で買い取り価格変更か!

H27年1月31日(日)、日経CNBC主催セミナー「太陽光発電の展望を読む!」(講演者:松本真由美東大准教授*1)を聴講し、内容を改定しました。

*1
東京大学 教養学部付属教養教育高度化機構 環境エネルギー科学特別部門 客員准教授

 

H26年9月から始まった各電力会社の太陽光発電設備の受け入れ中断問題ですが、以下の進展と注目点をまとめてみました(H27年1月31日時点の情報を基に編集)。

  1. 受け入れの再開日
  2. 再開に至る受け入れ可能量の検証結果
  3. 再開の条件となった「新ルール」とは?
  4. 電気が余った場合の買い取り抑制(出力制御)策
  5. 買い取り抑制(出力制御)の優先順位
  6. 蓄電池導入による抑制回避対策
  7. H27年度買い取り額予想
  8. 電力自由化等、今後の展望

 

1.受け入れの再開日

北海道、東北、四国、九州の電力大手4社(沖縄電力は既に再開)が、買い取り手続きの受け入れを再開しました。
参考:時事通信(yahooニュース)

 

2.再開に至る受け入れ可能量の検証結果

不透明だった各電力会社の受け入れ可能量が発表されています。これは経済産業省の作業部会が検証したものです。発表内容の概要は次のとおりです。

 

国がすでに認定した太陽光発電設備の発電量(単位:ワット数、以下 Aと略)、受け入れ可能量(単位:ワット数、以下 Bと略)とすると、

 

A<Bとなる電力会社
  • 中国電力
A>Bとなる電力会社
  • 北海道電力
  • 東北電力
  • 北陸電力
  • 四国電力
  • 九州電力
  • 沖縄電力

 

国の認定発電量に対し、受け入れ可能量が上回っているのは中国電力のみです。受け入れ可能量が下回り、かつその差が特に大きいのは、東北電力と九州電力です。

 

東京電力、中部電力、関西電力は管内需要が大きく、受け入れ可能量に余裕があるため、上記検証には参加していません。

 

参考:12/17朝日新聞

 

3.再開の条件となった「新ルール」とは?

受け入れはH27年1月26日から再開されましたが、受け入れ可能量が上記「2.再開に至る受け入れ可能量の検証結果」という状況でした。

 

以前の買い取り抑制条件のままでは、電気の供給が需要を上回る場合が危惧され、受け入れ間口の拡大が必要となりました。

 

このため再開の条件として、出力抑制(または出力制御)に関して、次の新ルール(360時間ルール、または指定ルール)が施されました

 

360時間ルールとは?

360時間を上限とした時間単位の出力制御を行うという取り決め。

 

指定ルールとは?

接続申込量が接続可能量を超過した場合には、年間30日の上限を超えた無補償の出力制御を行うという取り決め。接続申込みする電力会社が指定電気事業者として認定されており、かつ上記表の条件に合致した場合に適用。

 

現在の指定電気所業者は次のとおり。

北海道・東北・北陸・中国・四国・九州・沖縄の各電力会社(7社)

 

指定電力事業者ではない東京・中部・関西の各電力会社の管内では、指定ルールの適用はありません。

 

4.電気が余った場合の買い取り抑制(出力制御)策

次表に各電力会社、発電規模に対する出力制御に関する新ルール適用条件を示しました。この条件に沿って、出力制御が実施される予定です。

 

出力制御

 

参考:資源エネルギー庁資料「固定価格買取制度の運用見直し等について(H27年1月22日)」

 

5.買い取り抑制(出力制御)の優先順位

出力制御の新ルールは決まりましたが、実際の適用に当たっては次の優先順位があります。上から順に適用されます。

 

  1. 石油・石炭火力発電
  2. 蓄電池への蓄電
  3. 500kW〜の太陽光発電
  4. 50kW〜500kW
  5. 10kW〜50kW
  6. 〜10kW

 

補足(松本准教授(本ページ冒頭に記述)の講演より)

太陽光発電で現行ルールでの出力制御が実施された例はまだありません。

 

ただ、設備認定量が7000万kWに達しており、すべてが導入されると(現行の導入量は約1856万kW)、今後、新ルールの適用が現実になるかもしれないとの見解です(*2)。

 

*2
10kW未満の一般住宅用では余剰売電を前提としているので、新ルールの適用は余剰電力に限定する方向で政府が技術的な検討をしていくようです。

 

5.蓄電池導入による抑制回避対策

再生可能エネルギー電気事業者(10kW以上)向け

H26年度補正予算744億円に、蓄電池補助金として265億円が含まれています。蓄電システムの導入(設置工事を含む)を計画している場合に申請可能です。申請者の公募開始は、H27年3月の予定です。

 

補助率
  • 1/2(自治体、中小企業等)
  • 1/3(大企業)

 

1件当たりの補助上限
  • 5億円

 

発電設備1KWあたりの上限
  • 10万円

 

担当省庁:資源エネルギー庁 新エネルギー対策課

 

家庭用向け

H26年度補正予算で「定置用リチウムイオン蓄電池の導入支援事業」として、130億円を準備中です。3月中には申請可能となる見込みです。

 

担当省庁:経済産業省 商務情報政策局情報通信機器課

 

6.H27年度買い取り額予想

H26年度の買い取り価格は、H27年3月末までの申し込みまでです。

 

ただし、松本准教授の講演によれば、H27年度は次の2段階で価格が改定される見込み。

 

  • H26年度買い取り価格:H27年3月まで
  • H27年度買い取り価格:H27年4月1日〜6月末(第一段階)
  • H27年度買い取り価格:H27年7月1日〜(第二段階)

 

第一段階での価格
  • 住宅用:37円(税込)⇒30円台前半
  • 非住宅用:32円(税抜き)⇒28円〜30円(税抜き)

 

第二段階での価格
  • 住宅用:予想なし
  • 非住宅用:25円〜28円(税抜き)

 

7.電力自由化等、今後の展望

政府の今後の対策として、以下のことを挙げています。

  • 接続可能量の再検証
  • 出力制御関連のルールやその順守状況のチェック機構整備
  • 出力制御見込みの事前公表
  • 運用線ルール等の見直し⇒電力会社単体から日本全体での受給バランスへ
  • 住宅用等の小規模発電の出力制御⇒参照:「5.買い取り抑制(出力制御)の優先順位」の「補足」

 

電力自由化について

電気事業法の一部を改正する法律」(改正電気事業法)が、H27年4月1日に施行される見通しです。

 

現在、400社超の新電力会社が設立されており、2016年の電力全面自由化に向けて一般家庭向けの電力供給体制が整備されつつあります。

 

SBパワー、エナリス、パナソニック・エプコといった新電力会社による買い取りが期待でき、電力会社の定めた価格への上乗せを公言している会社もあります。

 

新電力会社への契約では、乗り換えの前後による買い取り価格の変更がどのようになるか未決定な部分もありますが、自由化が本格的に進むと、売電対象の選択肢は増える可能性があります。

 

このため、買い取り抑制の影響が大きいと判断される場合の打開策としても期待できます。

 

 

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